Scratchで体験!ミニ機械学習プログラムの作り方
近年、AI(人工知能)や機械学習という言葉を耳にする機会が増えました。しかし、「難しそう…」と感じる方も多いのではないでしょうか?実は、子どもでも使えるプログラミング環境「Scratch(スクラッチ)」を使えば、機械学習の基礎を遊び感覚で体験することができます。
この記事では、Scratchで作る「ミニ機械学習プログラム」の作り方を、準備から完成までステップごとに詳しく解説します。プログラミング未経験の方や小中学生にも分かりやすい内容なので、ぜひ一緒に作ってみましょう。
1. Scratchと機械学習の関係とは?
Scratchは、MITメディアラボが開発したビジュアルプログラミング言語です。ブロックを組み合わせて命令を作るため、難しいコードを書く必要がありません。
一方、機械学習とは、コンピューターがデータを使って「パターン」を学び、その知識をもとに判断や予測を行う技術のことです。例えば、写真から動物を判別したり、音声を認識したりするのも機械学習の一種です。
通常、機械学習を実装するにはPythonやTensorFlowなどの知識が必要ですが、Scratchには「拡張機能」や外部サービスを使ってAIを組み込む方法があります。これにより、初心者でも簡単にAI体験が可能になります。
2. 準備するもの
- インターネットに接続できるパソコンまたはタブレット
- 最新のWebブラウザ(Chrome、Edgeなど)
- Scratchアカウント(無料)
- 機械学習拡張機能「Machine Learning for Kids」または「Teachable Machine」
特に「Teachable Machine」はGoogleが提供しており、画像や音声、姿勢データを簡単に学習させられるのでおすすめです。
3. Scratchで機械学習を使う流れ
- 学習データの準備 画像や音声など、AIに覚えさせたい情報を集めます。例えば「笑顔」と「真顔」の写真を数枚ずつ用意します。
- AIモデルの学習 Teachable Machineなどのツールにデータを読み込み、「笑顔」と「真顔」を分類できるモデルを作ります。
- モデルをScratchに接続 完成したAIモデルのURLやキーをScratchの拡張機能に設定します。
- プログラム作成 AIの判定結果に応じて、キャラクター(スプライト)が動くプログラムを作ります。
4. 実際に作ってみよう!笑顔判定プログラム
今回は、カメラに映る人物の表情を判定して、笑顔ならキャラクターが喜びのダンスをするプログラムを作ります。
ステップ1:AIモデルを作る
- Teachable Machineにアクセスし、「画像プロジェクト」を選択
- クラス1を「笑顔」、クラス2を「真顔」と設定
- それぞれの写真をアップロード
- 「学習」をクリックしてAIモデルを作成
ステップ2:Scratchに接続
- Scratchを開き、新しいプロジェクトを作成
- 「拡張機能を追加」から機械学習の拡張を選択
- モデルのURLまたはAPIキーを入力
ステップ3:プログラムを書く
もし(判定結果 = "笑顔")なら → キャラクターのコスチュームを「笑顔」に変更 → ダンスアニメーションを再生 そうでなければ → 通常の待機ポーズ
このように、AIの判定結果を条件分岐に使うことで、インタラクティブな作品が作れます。
5. 応用例
- 手のジェスチャーでゲームキャラクターを動かす
- 音声でクイズの答えを判定する
- 色や形を識別して自動仕分けゲームを作る
- 表情に合わせて音楽を変える
6. 学んだことを活かすには
Scratchでの機械学習体験は、AIの基礎を理解する第一歩です。より高度なプログラミングを学びたい場合は、PythonやJavaScriptで同じようなモデルを作ってみるのも良いでしょう。
また、作った作品はScratchのコミュニティに公開すると、世界中の人に見てもらえます。
まとめ
Scratchを使えば、初心者でもAIや機械学習を楽しく体験できます。 今回紹介した手順を参考に、ぜひオリジナルのAIプログラムを作ってみてください。
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